タイトルホルダーの競争中止からみる天皇賞(春)連覇の難しさ。
菊花賞で圧倒的な強さを見せ、4歳時に天皇賞春と宝塚記念を完勝。
勝つときは本当に強い勝ち方をしてくれた。
5歳時に引退レースとなった2023年有馬記念でも見応え十分な逃げを披露してくれた。(結果は3着)
負けることも多かったが、久しぶりにスピード持久力を備えた魅力的な馬だと思っていた。
引退したのは残念だが、無事に種牡馬入り。
ただし、5歳時に圧倒的1人気(単1.7倍)だった天皇賞春はタイトルホルダーの馬券を買う気になれなかった。
その理由を書いてみたい。
2023年天皇賞(春)
京都 3200m
連覇を狙ったタイトルホルダー(牡5横山和生)が故障のため競争中止。
勝ったのは2番人気のジャスティンパレス(牡4ルメール)。
タイトルホルダーの大敗を予想していた人は少なからずいたと思うが、単勝1.7倍とかなり人気を集めていた。
過去に天皇賞(春)を連覇した馬はたったの5頭!
天皇賞春において、タイトルホルダーは非常に危険な人気馬だと思っていた。
終わってみればその通りだった。
昨年は阪神で行われたのに異常な人気であった。
そもそも天皇賞春を連覇するには一定の条件が必要であり、
タイトルホルダーはそれに足りていなかった。
下表をご覧いただきたい。天皇賞(春)を連覇した馬はたったの5頭である。
天皇賞(春)優勝年 | 騎手 | 天皇賞(春)連覇を狙った年の前年の有馬記念着順 | |
メジロマックイーン | 1991、1992年 | 武豊 | 2着 |
テイエムオペラオー | 2000、2001年 | 和田 | 1着 |
フェノーメノ | 2013、2014年 | 蛯名 | 出走せず |
キタサンブラック | 2016、2017年 | 武豊 | 2着 |
フィエールマン | 2019、2020年 | ルメール | 4着 |
じつは前年の有馬記念の結果が重要になってることが分かる。
タイトルホルダーは前年に有馬記念を走ったが結果は9着だったのだ。
データから読み取ると、前年の有馬記念で大敗してしまうと天皇賞春を連覇は無理なのだ。
余談だが2000年代から急に連覇が増えた。
昔よりも芝の状態が良くなって、故障が少なくなっていることが要因の一つだと思っている。
ライスシャワーは天皇賞春を2度勝った!
ちなみに連覇とはいわないが、ライスシャワーは2度勝ったことがある。
天皇賞(春)優勝年 | 騎手 | 1994年の有馬記念着順 | |
ライスシャワー | 1993、1995年 | 的場 | 3着 |
ライスシャワーが天皇賞(春)連覇を狙うはずの1994年に出走しなかったのは、故障の為である。
例え故障してなかったとしても1993年の有馬記念は8着だったから、
データから言えば出走すれば厳しい結果になっていたはず。
なおかつ1994年の天皇賞春は阪神競馬場で行われたので、出走しなくて正解だったろう。
1995年の宝塚記念は悲劇だったが・・・。
天皇賞春連覇を狙うタイトルホルダーの単勝が買えない理由
上表をみて分かる通り、
連覇を狙うなら前年の有馬記念で4着以内または有馬記念に出走しないことが望ましいと言える。
騎手が同じであることも重要だ。
これは必要最低条件なので、前年の有馬記念で好走していても連覇できなかった馬はいる。
ディープインパクトは有馬記念1着を最後に引退してしまった。
逆に前年の有馬記念で大敗していても連覇がかかる天皇賞春であわやの2着だった馬もいる。
メイショウサムソンのように。
タイトルホルダーは前年の有馬記念で9着だった。
データからはこの時点で単勝は買えなかったのだ。
おわりに
データから読み取ると、天皇賞春連覇を狙った時のタイトルホルダーの馬券は危険であった。(結果は競争中止)
その時に勝利したジャスティンパレスに目を向けると、
2023年の有馬記念に出走し4着に入った。
ということは2024年天皇賞春に出走し連覇を狙うならば、買わずにはいられないだろう。
鞍上がルメールであればの話だが。