2回も「単勝オッズ100円」になったG1馬。1回目はまさかの2着、2回目は?
極まれな話だが、単勝オッズが100円になることがある。
しかしそれを、JRAの重賞しかもG2で2度も経験した馬がいる。
その馬とは?
単勝オッズ100円とは?
単勝オッズ100円。
それはつまり圧倒的な1番人気に支持され、単勝1.0倍ということである。
仮に単勝10000円の馬券を購入し、ハラハラドキドキして当たったとしても払戻金は10000円である。
普通に考えれば嬉しくない。普通預金よりも率が悪い。
しかし一見チャラのように思うが、これは勝ち等しい。
なぜなら馬券を買って実質無料でスリルと興奮を味わえたからだ。
素晴らしいエンターテイメントを無料で楽しめたのだから、
等倍で返金されたとしても残念な気持ちになることはないだろう。
競馬場に置いてある「緑色の鉛筆」と「マークカード」。原価は?
G2で2回も「単勝オッズ100円」の怪物
「シャドーロールの怪物」ことナリタブライアンは、2度も「単勝オッズ1.0倍(最終)」になったことがある。
その2つのレースとは、
✅1994年の京都新聞杯
✅1995年の阪神大賞典
である。
内容を確認してみる。
単勝オッズ(最終) | 結果 | 勝ち馬(2着馬) | 着差 | 出走頭数 | 馬場 | |
第42回京都新聞杯G2 | 100円 | 2着 | スターマン | クビ | 10 | 良 |
第43回阪神大賞典G2 | 100円 | 1着 | ハギノリアルキング | 7 | 11 | 良 |
この2つのレースは、どちらも良馬場で出走頭数は少なめだ。
菊花賞の前哨戦である京都新聞杯(この年は阪神で開催)は、G2とは思えないほどの異常な盛り上がり。
展開は道中かかり気味で大外を回ってきたブライアンに対し、
スターマン(藤田伸二)は折り合いがついていて直線に入るまで内で足を溜めることができた。
直線に入ると内からスターマンがするするっと伸び、そしてブライアンに競り勝つという、これはまさに事件だった。
後から冷静にみると、この展開なら負けても仕方ないのかなという内容ではある。
スターマンが最強馬ブライアンに土を付けたことで日本中で大いに話題になった。
「スターマンが最強」とか言い出す競馬ファンもいた。
やはり個人的に思うことは、いくら最強馬といえども3か月以上間隔が空くと信用したくない。
それとスターマンのように連勝中で勢いに乗ってる馬は怖いね。ついでに藤田伸二も怖かった。
一方で翌年の阪神大賞典(この年は京都開催)はナリタブライアンが7馬身差で快勝した。
前年の京都新聞杯のこともあるので不安もあったはずだが、このレースのオッズもまさかの単勝100円(最終)。
レース展開
1枠をひいたナリタブライアン(南井)は序盤から好位で折り合っていた。
レースも後半に入る頃、タマモハイウェイ(四位)が先に仕掛けていったところを追従。
最後の直線に入るとブライアンは一気に抜け出し、グングン突き放す圧勝劇。2着はハギノリアルキング(武豊)だった。
終わってみれば1~3着まで人気通りの結果。
余談だが、前走で小倉の900万を勝ち上がった7番人気のストーミーラン(藤田)が、
ブライアンに次ぐ上がりで2、3着馬に迫っていた。
あわや紐荒れになるところだ。それだけ当時の藤田伸二は怖かったね。
G1で単勝オッズ100円を経験した馬
G1で単勝オッズ100円(最終)になったレースがあるのか調べてみた。
記憶に新しいところ(他に見つけることができなかっただけ)では、
ディープインパクトがクラシック三冠に挑んだ菊花賞で単勝1.0倍(最終)になったことがある。
単勝オッズ(最終) | 結果 | 2着馬 | 着差 | 出走頭数 | 馬場 | |
第66回菊花賞 | 100円 | 1着 | アドマイヤジャパン | 2 | 16頭 | 良 |
ここを勝てば「無敗の三冠馬」達成ということもあって、記念馬券を買った人も多いのではないだろうか。
レース展開
ディープインパクトはスタートよく飛び出し、かかり気味な気配もあったが武豊が上手く制御していた。
中団で折り合う。
最後の直線に入る頃、
先行し内で足を溜めていたアドマイヤジャパン(横山典)が、先にグイッと抜け出し先頭。
アドマイヤジャパンの「見せ場」は最高のシーンだったと思う。
あの抜け出しは絶妙のタイミングであり、さすが横山典だと思った。
並のG1馬では届かないところを、ディープインパクトは差し切って快勝。
ディープの強さを存分に見せつけた歴史に残る名レースだと思う。
おわりに
個人的には単勝100円の馬券を買う気になれないのですが、
みなさんはどう思いますか?
ディープが勝った菊花賞でいうなら、アドマイヤジャパン(神戸新聞杯5着)の複勝を買いたいなぁ。
たらればたられば。